今年2017年のSFC修行一発目のフライトは沖縄でした。その際にプレミアムクラスへの当日アップグレードを試みました。まず搭乗したフライトは沖縄-関西の最終(ANA1738)便。フライト当日、沖縄での用事をそそくさと済ませ、一目散に那覇空港へ。もちろん目的はプレミアムクラスへの当日アップグレードです。
飛行機へ搭乗した時の不満を一気に解決するプレミアムクラス
なぜプレミアムクラスでフライトに搭乗するのか?それはプレミアムクラスの圧倒的な優遇を受けるためです。プレミアムクラス=席が広い、くらいにしか認識のない方はぜひ読んでみてください。
普通(エコノミー)席だと、狭い、景色を見たいけど窓際だとトイレに行きにくい、食事がまずい、リクライニングするのに気を使う、トイレのタイミングが難しい、ドリンクを飲みたいけどCAさんまで微妙に距離があって頼みにくい・・・。いつもフライトでこんな経験をしていませんか?
しかし、これらを一気にクリアしてくれるのがプレミアムクラスです。さらに飛行機に乗る前のサービスだって全然違います。飛行機に乗ることが本当に楽しくなってきますよ。今回の記事では、ANA国内線のプレミアムクラスのメリットと、当日アップグレードの方法、そして私が検証した空席待ちシステムの優先順位についてシェアしたいと思います。
圧倒的な優遇を受けるANA国内線プレミアムクラス
まずはANA国内線のプレミアムクラスの優遇サービスを一通り解説します。
1)プレミアムチェックイン
チェックインカウンターが混雑している時ってありますよね。急いでいる時に限って混んでいる。そんなときでもいつも空いていて、スピーディーにチェックインが出来るプレミアムクラス専用カウンターを利用出来ます(羽田空港第2ターミナルは特別専用チェックイン入口が有ります。他の空港では普通のチェックインカウンターに並んで専用カウンターが設置されています)。特に繁盛期には絶大の効果!
通常は20kgの手荷物の許容量が40kgまでアップします。実際手荷物が20kgを微妙にオーバーすることってありますよね?!40kgまでならその心配もありません(というかスーツケースが40kgもあったら持てないですけどね)。
チェックインカウンターにも増して混雑するのが保安検査場。ここも新千歳空港、羽田空港第2ターミナル、伊丹空港、福岡空港第2、第3ターミナルではプレミアムクラス専用の保安検査場を利用出来ますので、スムーズに搭乗口まで行くことが出来ます。
4)ANAラウンジの利用
プレミアムクラス利用のメリットとして1、2位を争う優遇サービスがこれでしょう。通常は上級会員のみが利用できるANAラウンジを利用出来ます。アルコールはもちろん、ソフトドリンクやおつまみなどが無料。このラウンジとよく混同されるのがゴールドカードで入れるラウンジ。ゴールドカードでANAラウンジには入れません。この2つは似て非なる者、完全にレベルが違うラウンジになります。
5)優先搭乗・優先降機
これはご存知の方も多いでしょう。フライトへの搭乗時、普通席に先駆けて、ANAのステイタスメンバーが先にスーっと搭乗していくのを指をくわえて見ていた経験はありますよね?!プレミアムクラスも、もちろん優先搭乗が可能です。ただ、普通席の場合、優先搭乗すると荷物を入れるコンパートメントのスペースが確保されるのでサッと席に座れる(もちろん空いてますし)のですが、プレミアムクラスはそもそも空いてますし、コンパートメントのスペースも確保されていますのであまりメリットを感じないかもしれません。一方、降機については、プレミアムクラスの座席は最前列に配置されていますので、当然優先的に降機することになります。個人的にはプレミアムクラス利用時は優先搭乗よりも優先降機に価値を感じます。
6)手荷物優先受取
プレミアムクラスへ搭乗する方の預けた手荷物はプライオリティタグが付いていますので、ターンテーブルにおいて優先的に出てきますから早々と荷物をゲットして到着ゲートへ進めます。これも大きなメリットです。
7)プレミアムクラス専用の食事
通常、沖縄-関西のフライトですと、簡単なソフトドリンクの提供があるだけで、普通席の場合は食事のサービスはありません。一方、プレミアムクラスだとプレミアムクラス専用の食事が提供されます。そしてもちろん、アルコールも飲み放題です。ラウンジ利用と同レベルで楽しみなサービスですね。
プレミアムクラスへアップグレードする理由
以上の通り、プレミアムクラスへ搭乗すると上記のような優遇サービスを受けられるというメリットがあります。それにプラスして、プレミアムクラスにアップグレードすることによって得られるメリットは他にもあります。
ANAのフライトに搭乗すると、プレミアムポイント(PP)が貯まります。このプレミアムポイントを一定数貯めると、ANAの上級会員のステイタスが与えられ、他の一般客よりも優遇されたサービスを受けることが出来るしくみになっています。詳しくはANAのホームページで。
ちなみに、このANAの上級会員ステイタスを得るため=プレミアムポイントを貯めるために飛行機に乗り続ける行為が修行と呼ばれたりします(目指すステイタスによってダイヤモンド修行、SFC修行などと呼び名が変わります)。
そして今回解説しているプレミアムクラスに搭乗すると、普通席で搭乗するよりも多くのプレミアムポイントをもらえるのです。私が今回プレミアムクラスにアップグレードする目的のもう一つはこのプレミアムポイントです。
ちなみにこのプレミアムクラスに乗るとどのくらいプレミアムポイントがもらえるのでしょうか?
まずは普通席で沖縄-関西を飛んだ場合のプレミアムポイントは以下の通り。
合計で1508プレミアムポイントを獲得できます。
一方、プレミアムクラスにアップグレードすると・・・
2247プレミアムポイントにポイントがアップします。これによりANAのステイタスを得るために目標とするプレミアムポイント数に同じフライトに搭乗してもでも早く到達出来るわけです。
この差分2247PP-1508PP=739PPを獲得するためにアップグレードを行うわけですが、アップグレードには今回追加料金として7,000円が必要です(元が株主優待チケットの場合。通常は9,000円)。
この7,000円を高いと思うかどうかでステイタスに対する価値観が分かれると思いますが、私は7,000円で、上記の各種プレミアムクラスの優遇サービス+739プレミアムポイントを得られると思えば安いものだと思います。
なお、739ポイントを7,000円で買うことの価値としての判断はPP単価で考えます。
PP単価とは、ダイアモンド修行やSFC修行で一種の判断基準として使われる目安で、1ポイント(PP)=
10円が目安となっており、10円を切るとステイタスを獲得するために必要なプレミアムポイントを効率よく貯めている、とすることが通例です。
この基準に照らし合わせた時、今回は7,000円÷739ポイントで9.47円/PPとなり、まずまずの単価でプレミアムポイントを貯めることが出来る、ということになります。
よって、プレミアムクラスの優遇サービス+効率の良いプレミアムポイント獲得、という理由で7,000円を追加で支払いアップグレードを試みた、ということです。
ANAプレミアムクラスへの当日アップグレードの方法
プレミアムクラスへの当日アップグレード方法は簡単です。
当日、プレミアム専用カウンターへ行きます。他のチェックインカウンターが並んでいても、このプレミアム専用カウンターはいつも空いていて、ステイタス感が漂っていますので、普通席のチケットしか持っていないあなたは少し及び腰になるかもしれませんが、そこは堂々と行きましょう。
このカウンターで、プレミアムクラス席が空いているかを確認します。空いていればそのままアップグレードの予約をします。空いてなければ、空席待ちを依頼します。空席待ちが出来たら整理券が配られます。
ちなみにこのプレミアムクラス専用チェックインカウンターですが、裏技的に使うことも出来ます。普通席のチケットしか持ってなくて、普通のチェックインカウンターがすごく並んでいる時、このプレミアム専用チェックインカウンターへ行き、「プレミアムクラス空いてますか?」と聞いてみましょう。空いてなければ、さも残念そうな顔をして、「ここでこのままチェックイン出来ますか?」とお願いしてみましょう。すると快くチェックインを受け付けてくれます。もし、「プレミアムクラス空いてますよ」と言われたら、そのままアップグレードするのも手ですが、そうでなければ、しばらく考えて「やっぱり止めます!」と爽やかに答えましょう。それでもチェックイン手続きはしてくれます(良い子は本当に急いでいる時だけの裏技にしてくださいね 笑)。
話を戻して・・・
今回、私が確認した時にはすでにプレミアムクラスは予約で満員でした。ですので、必然的に空席待ちに回ることに。空席待ちの登録を済ませた後は、普通に保安検査場を通過して、搭乗口付近まで移動します。
↑これが那覇空港の幻の保安検査場「C」。AとBの保安検査場とかなり離れたところにあるためか、いつも空いています。AとBの保安検査場のところに「C」が空いてますよ~と呼び子が立っているくらい空いています。ちなみにこの左隣に「ダイヤモンドメンバー」「ミリオンマイラーメンバー」しか入れないANA SUITE LOUNGEがあります。
保安検査場を抜けて搭乗口まで行くと、右手に空席待ち受付カウンターがあります。ちなみに今回のように保安検査場に行くまでの出発ロビーにあるチェックインカウンターで空席待ちをお願いすることも出来ますし、ここまで来て、この空席待ち受付カウンターで手続きをすることも出来ます。
無事、プレミアムクラスの空席待ちが受付されていると、上記のようにモニターに空席待ち状況が表示されます。ちなみに18:15発大阪/関西行き「B」の1人が私です。
ここの「呼び出し開始番号」のところにあるS、A、B、Cの種別はステイタス別表示となっており、空席待ちの獲得権利に以下の通り、優先順位が適用されます。
なお、このANAの空席待ち優先順位にちょっと不思議に感じたことがあります。それは、私が「種別B」であることがバレバレになるということ。ちょっと記憶が定かではないのですが、搭乗時間15分前に空席待ちで、めでたく席を確保できた際、「種別Bの2番でお待ちの方~」と呼ばれた記憶があります。呼ばれたら空席待ちカウンターに行かねばならないため、私が呼ばれたことが周りの人にもわかります。そこでその時にANAのステイタス会員について知見のある方が周りに見ると、「種別がBってことはあいつはANAの平会員だな」とわかってしまいます。これは微妙に恥ずかしいなと。たしかJALも空席待ちには優先順位はあるものの、種別はわからないようになっていたはず。この点について種別をあからさまにする必要があるのかな?と不思議に感じました。
そして搭乗時間の15分前に空席が確定し、優先順位の順番で空席が配分されます。今回、空席待ちカウンター付近でおとなしく待っていると、うまくプレミアムクラスの席が空き、呼び出しをもらったので、すぐにカウンターで7,000円を支払い、めでたくプレミアムクラス席に搭乗することが出来ました。
プレミアムクラスの搭乗券をゲット!しかも窓側を確保!
プレミアムクラス空席待ちのあまり知られていない優先順位のからくりを検証
今回、無事にプレミアムクラスのアップグレードが成功しましたが、どうもこの空席待ちのシステムに不可解な点があるようです。
通常の空席待ちは、
当日カウンターへ行く
↓
空席がなければ整理券をもらって搭乗時間の15分前まで待つ
↓(※)
搭乗時間15分前時点で空席があれば、種別順に席を配分
という流れになります。ということは、整理券さえもらえたら、時間まで待っていれば安心だな、と考えると思います。
しかし、上記の(※)の時間帯に、ネットで同便に空席が出ることがあるようで、この時にネットで予約を入れると、そちらが優先されるようです。
つまり、空席待ち登録をしている間(上記※の間)に空席が出ると、他人にネットで予約を入れられると空港で空席待ちをしている今回の私に席は回ってこないということになります。
その情報を事前にキャッチしていたので、今回私は、当日空港のカウンターでとりあえず空席待ちは入れておいて、その間、ネットの空席情報をずっと確認していました。ネットで空席が出たら予約を入れてやろうと。しかし、あいにく今回はネット上では空席が出ませんでした。
ネット上で空席が出なかったのですから、当日空港で空席待ちをしていた私は、「ネットで空席が出なかったということは、ここでリアルに待っていても空席は出ないな・・・」と諦めていたのですが、なんと逆に、実際には空席があったのです。
つまり、これらのことから、空席待ちの優先順位について、以下のことが考察されます。
・空港での空席待ちをしている情報と、ネットの空席情報は連動していない
・空港での空席待ちよりもネットの予約の方が優先される
(ステイタスによる順位も関係ない→それならば、と今回検証しようと思ったが未遂)
・一旦空席待ちに回ると、搭乗時間15分前のオンタイムの空席情報でのみ判断が下される
(上記の通り検証出来なかったので推測)
・ネットには出ない空席情報が存在する(今回の私の状況で実証済み)
つまり、空席待ちをより確実にゲットするためには、
空席待ちを申請し整理券をもらう
↓
待っている間もネットで空席情報を確認する
↓
ネットで空きが出れば予約して確実に席を確保する
という行為が必要になってきます。整理券をもらっても安心していられないのです。
まだ、ネット予約が優先されるか?が検証できていないので、今後また空席待ちの機会があれば、この不可解なシステムについて検証してみたいと思います。
ゲットしたプレミアムクラスでいただく食事。広い座席、おいしい食事、そしてビールのみならず、ワインや焼酎なども飲み放題。個人的にはシャンパンもあるのが嬉しいですね。プレミアムクラス最高です。