ANAクロス取引(つなぎ売り)で株主優待券をノーリスクで入手する方法

 

このブログを始めた時から、ずっと書こうと思っていた記事がこのANA株主優待券をクロス取引(「つなぎ売り」とも言います)をしてノーリスクで入手する方法です。

 

ANAの(JALでも同じですが)SFC修行に欠かせないこの株主優待券。手に入れる代表的な方法は以下の3つ。

 

1.金券ショップで買う

2.オークションで買う(ヤフオク、メルカリ等)

3.株主になってもらう(株主優待)

 

この3つの方法のうち、1.2.はもうご存知だと思いますが、どちらも4,000〜5,000円程度が相場だと思います。この金額でも納得がいくのであれば、これらの方法で入手すれば良いのですが、私的には少々お高い感じがします。

 

そこで、手持ち資金さえ準備出来れば、最も安く手に入れられる方法が3.の「株主になる」という選択。この方法だと株主優待券1枚当たり、1,000円以下で調達出来ます。

 

ANAクロス取引だけではない株主優待の魅力とは?

 

この記事ではSFC修行に欠かせないANA株主優待券を例に取って「クロス取引(つなぎ売り)」の手法を解説しますが、ANAに限った話ではなく、株主優待を設定している上場企業であれば、どの企業でも株主優待をノーリスクで手に入れられる方法なので、覚えておいて損はないと思います。

 

例えば、人気の株主優待としては「日本マクドナルド」があります。

 

こちらは株主優待の権利を獲得すると、バーガー類、サイドメニュー、飲物、3種類の商品の無料引換券が1枚になったシート6枚つづりの優待食事券がもらえます。

また、オリエンタルランドの株主優待は、「東京ディズニーランド」または「東京ディズニーシー」いずれかのパークで利用可能な1デーパスポートがもらえます。

 

このように好きな銘柄の株主になると様々な優待特典があります。株価の上下ではなく、この優待特典を目的に株式投資をしている人もいるくらいです。

 

これらすべての株主優待を今回ご紹介するクロス取引(つなぎ売り)の方法ですとノーリスクで獲得することが可能です。

 

ANAクロス取引で株主優待券を入手する基礎的知識

 

株主優待を受けるには株主になる必要があるのですが、「株主=株を持つ」ということですから、気になるのは、「株を持っている間に株価が下がって損をしないの?」という心配ですよね。

 

しかし、株主優待を受ける条件としては、権利付最終日」に現物株式を保有しておけば良い、というルールがあります。つまりこの「権利付最終日」の1日だけ保有すれば良いのです。そして「権利付最終日」の次の日が「権利落ち日」といいますが、この日になればもう売ってしまって構いません

 

以下のカレンダーは2019年3月のクロス取引(つなぎ売り)に必要なカレンダーです。

 

参考までに2019年の「権利付最終日」と「権利落ち日」を掲載しておきます。ちなみにANAは3月末と9月末です。

(出所:SBI証券)

 

ANAクロス取引で確実に株価リスクを抑える方法とは?

 

たった1日保有すれば良い、とは言いましたが、実は1日でも株価は変動します。2018年7月現在のANAの株価は4,000円前後。最低100株を購入する必要があるので約40万円の資金が必要(=現物株を購入する場合。あとで説明する「空売り」にも証拠金として10数万必要)となります。

 

この株価が1日で最大700円動きますので、約70,000円程損失が出る可能性があるということです。

 

冒頭で、

 

1.金券ショップで買う

2.オークションで買う(ヤフオク、メルカリ等)

 

より、安く調達したい、という話でしたので、70,000円も損をしたら、元も子もないですよね。そこで、この株価変動リスクをゼロに抑えるのが、今回ご紹介する「クロス取引(つなぎ売り)」です。

 

1)まずは信用取引の売り(空売り)を理解する

 

株式投資と言えば、「株を買って保有する」と考えるのが一般的です。しかし、それ以外に「信用取引で空売りする」という取引方法があります。

 

これは手元に株を持っていなくても、いきなりを株を売ることが出来る方法です。おおまかな流れは以下の通り。

 

1)証券会社から株を借りる

2)その株を100,000円で売る→100,000円の現金が入る

3)しかし、借りている株なので期限までに返す必要がある

4)株価が10%下落した時(100,000→90,000円)に市場から現物の株を90,000円で買う

5)借りた株に買った株を充当し返済する

6)2)で100,000円が入り、4)で90,000円が出て行きますので、結果10,000円が手元に残る(=儲け)。

 

これが「信用取引の売り(空売り)」の原則的なパターンです。

 

2)クロス取引(つなぎ売り)とは?

 

結論的に言うと、クロス取引(つなぎ売り)は、「信用取引の売り」と「現物株の買い」を「セットで」「同時に」行うことを言います。

 

この「セットで」「同時に」というところがポイントです。セットで同時に取引を行うと、株価が変動した時にどうなるか?というと、

 

■株価が上がる時

信用売り・・・利益増↑

現物買い・・・利益減↓

 

■株価が下がる時

信用売り・・・利益減↑

現物買い・・・利益増↓

 

上記の通り、株式投資は株価が上下に動くことにより、信用売り、現物買いのそれぞれの利益は、上記の通り全く逆に動いて増減します。ですから見方を変えると、信用売りと現物買いを「同時に」行うと、プラスマイナス0円となります。つまり、同時ということは売った時、買った時の株価が同じですから。その後、株価が上がっても、下がっても、利益も出ない代わりに損失も出ず、完全に相殺されることになります。

 

ただし、株価の変動はあっても株価はプラスマイナス0円となりますが、株式取引には手数料等(手数料+税)が必要です。この記事の冒頭に「1,000円以下で入手できる」としていたのはこの手数料等が必要になるということを意味しています。

 

手数料については実際の取引の金額や証券会社別あるいは証券会社の中でもサービスによって異なるので、SBI証券の手数料を例に挙げておきます。参考として参照してください。ちょうどANA株を買った時とほぼ同じ400,000円の例が載っています。

※「ご注意!」の欄にもある通り、配当がある銘柄の場合は源泉税(配当金×20.315%)が差し引かれます。

 

細々した手数料は必要になりますが、たった549円です。549円の手数料でANA株主優待券を入手できると、

 

1.金券ショップで買う

2.オークションで買う(ヤフオク、メルカリ等)

 

では、相場が4,000〜5,000円ですので、これらの方法よりも、かなりお得に入手できたことになります。余談ですが、クロス取引で入手したANAの株主優待券をヤフオク等で5,000円で売却したら4,000円程度の利益が出ることになりますね。株主優待券で飛行機に乗るのではなく、これを目当てにクロス取引をする人もいると思います(基本的に転売はNGだろうからこういう表現で)。

 

3)クロス取引(つなぎ売り)の注意点

 

クロス取引(つなぎ売り)は一度覚えてしまうと簡単な取引ですが、注意点もあります。クロス取引は前述の通り、「信用取引の売り」が必要ですが、これには「制度信用取引」「一般信用取引」があります。株主優待券を出来るだけ安く入手するには必ず「一般信用取引」を選択してください。

「制度信用取引」と「一般信用取引」の違いはこちら

 

詳細は上記リンクにて確認していただければと思いますが、クロス取引を狙う私たちに関係するのは「逆日歩(ぎゃくひぶ)」という手数料についてです。簡単に結論だけ言うと、「制度信用取引」では「逆日歩」という手数料が予想外に必要となりますので、「逆日歩」が不要な「一般信用取引」を選択するようにしてください。ただし、「一般信用取引」は貸株料が「制度信用取引」に比べると高めに設定されています。

一般信用取引短期(15営業日)売りのメリット

 

4)ANAクロス取引におすすめの証券会社と高額ポイントがもらえるポイントサイトは?

 

クロス取引では「一般信用取引」を選んでくださいとお伝えしましたが、そもそもすべての証券会社がこの一般信用取引を出来るわけではありません。

 

中でもおすすめなのは「SBI証券」ですね。ネット証券口座開設数が350万口座と業界No.1ですし、信用取引が出来る銘柄を多く取りそろえています。

 

SBI証券の口座開設はハピタスを通じて申し込み、口座が開設できたら50,000円を振り込むだけ(取引もしなくていい)で、今なら4,000円分のポイントがもらえます。私もここから申し込みました。

 

詳しくは以下のバナーをクリックして「SBI証券」を検索→ポイント対象条件を良く読んで申し込んでください。

日々の生活にhappyをプラスする|ハピタス

 

なお、SBI証券が4,000円分のポイントを出しているのは過去の例を見ても結構、高水準の還元ポイントになります。こういう案件はいつ終了するか分かりませんので、早めに手続きされることをおすすめします。

 

ちなみにハピタスおよびSBI証券の口座開設は完全無料です。

 

SBI口座開設後の実際の取引

 

SBI証券に口座開設をしたら、以下の3ステップでクロス取引(つなぎ売り)を行います。なお、通常の口座開設が完了したら、続いて信用取引用口座も開設する必要があるので、忘れずに手続きをしておいてください。

 

1)新規信用売り

2)新規現物買い

3)現渡

 

1)新規信用売り

 

1.右上「取引」→注文入力画面の「信用新規売」を選択してください。

2.「銘柄コード」(ANAは9202)を入力。

3.右にある「株価表示」ボタンを押下してください。

 

すると以下のような画面になると思います。

これが信用売りの注文画面です。この画面の下部を拡大してみます。

 

この部分で、

株数→100株

価格→成行+寄成

期間→当日中

信用取引区分→一般(15日)

と、ここまで入力したら、取引パスワードを入れて注文発注します。

 

2)新規現物買い

 

1.右上「取引」→注文入力画面の「現物買」を選択してください。

2.「銘柄コード」(ANAは9202)を入力。

3.右にある「株価表示」ボタンを押下してください。

 

 

先ほどと同じような画面になりますが、

株数→100株

価格→成行

期間→当日中

預り区分→特定預かり(NISA口座がある人はNISAを選択)

と入力し注文発注します。

 

そして大切なことは、ここまでの注文をクロス取引を行う日(理想は「権利付最終日」)の前日の相場が終わった後~「権利付最終日」の相場が始まる前までに完了させておくことです。

 

これにより、クロス取引を行う日(理想は「権利付最終日」)の相場が始まった瞬間、「信用売り」と「現物買」の両建てで注文が成立(約定)するはずですので、9:00を過ぎた時点で、上のメニューにある「当日約定一覧」で約定しているか確認します。

 

約定していることを確認出来たら、権利付最終日の15:00を超えるまでそのまま保有します。現物株を持ったまま15:00を過ぎると株主優待の権利が確定します。

 

3)現渡し

 

権利付最終日の翌日、「権利落ち日」の相場が始まったら(始まる前でも良い)、最後の3)現渡しを行います。

→現渡の取引方法はこちら

 

これでクロス取引(つなぎ売り)の手続きが完了しました。後は株主優待券が入った封筒が届くのを楽しみに待っていてください。

 

信用売りをするタイミングに注意

 

ここでちょっと注意事項を。

 

上記の通り、取引を進めて行けば問題なくクロス取引(つなぎ売り)が出来ると思いますが、あくまでも「信用売り」については証券会社から株を借りていることになります。

 

ということは、証券会社も際限なく対象の株式を持っているわけではなく、在庫に限りがあります。当然ですが、在庫が無いと信用売りが出来ないことになります。この在庫を確認するには信用売り注文をする画面で以下の場所を参照します。

 

ここが、以下のいずれかで在庫状況を表示しています。

 

◎(余裕あり)

▲(残りわずか)

×(受付不可)

 

◎(余裕あり)と▲(残りわずか)ですと、新規信用売りを発注出来ますが、×(受付不可)ですと、注文自体が出来ません。

 

ANAなどの優待が人気の株だと権利付最終日が近付くと、みんな同じことを考え出すので、どんどん在庫が減っていきます。

 

「では、出来るだけ早めに注文しておけば?」

 

と考えるかもしれませんが、上記の手数料のところでありましたように、信用売りを建てますと、貸株料(年3.9%)が日割りでかかってきますので、コストがかさみ、場合によっては1,000円を大きく超えてくることもあります。

 

ですので、早めに在庫チェックを初めて、出来るだけ権利付最終日に近いところで、注文を出すようにしましょう。

 

ANAクロス取引(つなぎ売り)まとめ

 

新規信用売りと新規信用買いの注文を同時に出し、1日だけ株式を保有し、株主になって、翌日には現渡で手放すことで、株主として株主優待を受ける権利をもらえます。

 

かつ、手数料も549円のみ(税別)で、5,000円近く価値があるANA株主優待券を手に入れる。

 

何だか話がうますぎて、怪しい感じがするかもしれませんが、株式投資の世界ではしっかり認められた手法ですし、SBI証券でもクロス取引(つなぎ売り)を推奨していますので、安心して取引してみてください。

 

こうして得たANA株主優待券。ヤフオクで売ってしまって現金化、という手もなくはないですが、陸マイラーとしては、ANA株主優待券を持っていると、便の急な変更などにも対応出来てとても使い勝手の良く、かつ飛行機代が安くなる(特に繁盛期)ので、実際にフライトやSFC修行する際に、非常に重宝することと思います。

 

ブログでクロス取引(つなぎ売り)について、文章で書くと、非常に手間がかかって面倒くさいように感じられるかもしれませんが、実際は一度覚えてしまえば、とても簡単な操作ですし、資金も最短で1日拘束されるだけで翌日には戻ってきますので、超低金利の銀行に眠らせておくよりは大変有効な資産活用にもなります。ぜひ積極的に活用してみてください。